日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(C)
研究期間 : 2017年04月 -2021年03月
代表者 : 中村 五月; 陶山 啓子; 久保田 正和; 田中 久美子
本研究の目的は、施設高齢者に対する効果的な排尿誘導プログラムを作成することであり、機能性尿失禁を有する高齢者に本研究課題で作成した排尿誘導プログラムを実施し有用性を検証することである。2017年度は文献レビューにより、①看護職・介護職に対する尿失禁の治療やケアに対する教育的介入の必要性、②①の専門的な知識に基づいた看護・介護協働体制による排尿誘導の実施、③高齢者の心理的負担軽減に考慮したプログラムの枠組みを明確にした。2018年度は排尿誘導プログラムのアウトカム指標の検討、看護職・介護職の包括的排尿アセスメントの実態調査の結果から排尿ケアにおける各々の専門性の特徴を明らかにしプログラムの構成要素に入れることができた。以上のプロセスを経て作成した排尿誘導プログラムの効果検証を行うため倫理申請を行い研究倫理審査委員会の承認を得た。UMIN登録を行う準備を整え、介入研究を開始するための最終調整を行っている。しかし、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、高齢者施設での介入研究を実施することが困難な状況であり、加えて研究フィールドの再調整が必要となった。排尿誘導プログラムの有用性を検証する方法を再検討し、倫理審査の再申請の準備をしている状況である。機能性尿失禁を有する高齢者に対する排尿誘導プログラムの有用性を検証し、認知症を有する高齢者の排尿自立を促進できる一助になるよう、引き続き研究を継続する。