日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 2022年08月 -2025年03月
代表者 : 菊池 志乃
当初の予定ではインターネットを用いて薬剤抵抗性の過敏性腸症候群(IBS)に対する内部感覚曝露を伴う認知行動療法(CBT-IE)を実施できる治療者を養成する教育プログラムを作成し、学習と治療実践の2段階の治療者教育を計画していた。しかし、まず治療者教育のプログラムを作成後、知識の教育はできても1クールのCBT実践では治療者としての実戦経験としては少ないため、治療実践における結果は教育プログラムの出来ではなく患者に左右されるため、実際に臨床試験としては成り立っても、実臨床で意味がない可能性が指摘された。
このため、作成した教育用プログラムを改訂し、患者治療のためのプログラムとし、e-ラーニングの一部として、オンライン会議システムを用いた治療者によるCBT-IE介入に変更し、治療者の負担を大幅に軽減することでよりIBSに対するCBTの普及、および費用対効果のよい治療という点でも当初の目的に合致していると考える。
薬剤抵抗性のIBSに対する治療をパイロット試験を実施し、参加者からフィードバックを得た上で必要に応じたプログラムの変更を行うことを計画していた。実際の参加者からのフードバックから、e-ラーニングプログラムの問題となるアドヒアランスの向上を図る必要があると考えられた。このため、2023年4月よりプログラムの大幅な改定を実施し、2,4,6,8,10セッションにおいて2週間ごとの治療者介入を行い、アドヒアランス向上を目指す形にプログラムを変更した。
なお、プログラムの閲覧を希望する治療者には、プログラムの有効性が確認されれば閲覧可能としていたが、アドヒアランスの問題もあり、一旦治療者なしでの閲覧に関しては保留とした。