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加藤 耕治 (カトウ コウジ)

  • 医学研究科新生児・小児医学分野 特任助教
Last Updated :2024/06/13

研究者情報

J-Global ID

研究キーワード

  • 細胞生物学   エンドソームの膜蛋白輸送   ゲノム解析   先天異常症候群   

研究分野

  • ライフサイエンス / 細胞生物学
  • ライフサイエンス / 遺伝学
  • ライフサイエンス / 胎児医学、小児成育学

経歴

  • 2023年04月 - 現在  名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野学振特別研究員PD・特任助教
  • 2021年07月 - 2023年03月  ブリストル大学School of Biochemistry海外特別研究員
  • 2019年04月 - 2021年07月  名古屋大学環境医学研究所特任助教
  • 2015年10月 - 2016年03月  名古屋大学医学部附属病院小児科
  • 2012年04月 - 2015年09月  トヨタ記念病院小児科

学歴

  • 2016年04月 - 2019年03月   名古屋大学   大学院医学系研究科
  • 2004年04月 - 2010年03月   名古屋大学   医学部医学科

研究活動情報

論文

受賞

  • 2020年10月 名古屋大学小児科順清会 研究奨励賞
     未診断の先天異常症候群患者の分子学的解析と病態解明
  • 2019年05月 小児神経学会 Best oral presentation award.
     MYCN de novo gain-of-function mutation in a patient with novel megalencephaly syndrome.
  • 2019年 日本人類遺伝学会 最優秀口演賞
     VPS35Lの両アレルにおける機能喪失型バリアントは3C/Ritscher-Schinzel症候群に類似の先天異常症候群の原因となる.

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2026年03月 
    代表者 : 加藤 耕治
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2023年04月 -2025年03月 
    代表者 : 加藤 耕治
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2020年04月 -2023年03月 
    代表者 : 加藤 耕治
     
    我々はVPS35Lの両アレルにおける機能不全が、3C-like 症候群の新規の原因であることを報告した。この症候群の名前である3Cとは3つの臨床的な特徴の頭文字:Cranio-Cerebello-Cardiac dysplasia(頭蓋顔面-小脳-心臓の形成異常)を表すが、患者さんではそれ以外にも低身長・末節骨低形成などの骨形成異常、蛋白尿など、多彩な表現型が見られることも併せて報告している。 本研究の開始後、類似の表現型を呈した患者さんのゲノム解析を行い、現時点で4家系5症例の臨床情報を蓄積し、脂質異常症、免疫系異常、消化管の機能不全を新規の表現型として確認した。これら臨床情報の蓄積により、臨床像の全貌が徐々に明らかになってきており、今後の臨床管理に活用することが出来ると考えている。 細胞機能に関しては、VPS35Lはレトリーバー複合体のコアタンパクであり、エンドソームにおいてエンドサイトーシスにより取り込んだ細胞膜蛋白質を細胞膜にリサイクルする働きをしている。従って、VPS35Lが欠損すると多数の膜蛋白質の発現量が低下する。 患者さん由来の血球を3症例に関して解析したところ、いずれもVPS35Lのタンパク発現量が明確に低下していることを確認した。続いて患者さんで見られた脂質異常症のメカニズムを解析するため、NIH-3T3細胞においてVPS35Lの発現を抑制した細胞を作成し、脂質の取込みに重要なLRP1、LDLRの細胞膜における発現量を確認したところ、コントロールの細胞に比較して明確に細胞膜での発現が低下していることが分かった。また、蛍光ラベルしたLDLの細胞内への取込み能力を測定した結果、VPS35Lの欠損細胞で有意に低下していた。従って、脂質受容体の発現量低下により血清から肝細胞へ脂質の取込みが十分にできないことが患者さんにおける脂質異常症の分子病態であると考えられた。
  • 日本学術振興会:科学研究費助成事業
    研究期間 : 2019年08月 -2023年03月 
    代表者 : 加藤 耕治
     
    我々はVPS35L遺伝子の両アレルの機能喪失型バリアントが新規の先天異常症候群の原因となることを報告した。VPS35Lはretriever複合体のコアタンパクで、エンドソームにおいて細胞膜タンパクのリサイクリングを通して、細胞膜タンパクの発現量を維持する役割を担っている。従って、VPS35Lを細胞株で欠損させることにより、様々な細胞膜タンパクの発現量が低下することを示している。 VPS35Lにバリアントを有する患者の報告は現時点で我々が報告した1家系2例のみであるが、同様の症状を有する患者のエクソーム解析により、新たに3例を同定した。従って、現時点で4家系5症例の臨床情報を有しており、共通する表現型として頭蓋顔面の形成異常、脳形成異常、精神運動発達の遅滞、低身長、骨格系の形成異常、脂質異常症、タンパク尿、免疫学的異常、全身性の筋緊張低下が挙げられることを明らかにした。 これらの臨床的特徴の背景に存在する分子メカニズムを明らかにするため、VPS35Lの欠損マウスモデルを作製した。生殖細胞系列においてVPS35Lを欠損させると胎児期早期(E7.5-E8.5)に死亡することを明らかにした。これにより、VPS35Lが発生に重要な役割を果たすことを確認した。続いて病態理解を進めるため、組織特異的VPS35L欠損マウスを作成した。特に患者の中枢神経系と筋骨格系の臨床症状の病態を解析するため、中枢神経系特異的KOマウスと、骨格系特異的KOマウスを作成した。 中枢神経系の解析に関しては、細胞膜表面のタンパク発現変化に着目して病態を理解するため、初代神経細胞を用いて細胞膜表面蛋白のプロテオーム解析を行い、VPS35Lの機能障害により発現量が変化するタンパクを多数同定した。 骨格系においては、間葉系幹細胞特異的KOマウスで有意な筋力低下を明らかにした。

担当経験のある科目

  • Mol Neuro research project health and safetyブリストル大学
  • Scientific Writing and Presentation名古屋市立大学
  • MSci projectブリストル大学

その他のリンク

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