日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2007年 -2009年
代表者 : 池 康嘉; 富田 治芳; 井上 貴子; 谷本 弘一; 藤本 修平; 野村 隆浩
1.Bacteriocin 41の研究
フェロモン反応性高頻度接合伝達性プラスミドpYI14(61kbp)は臨床分離株E.faecalis YI714から分離されたバクテリオシンプラスミドでバクテリオシンBac41をコードする。Bac41遺伝子はbacL_1(ORF7)、bacL_2(ORF8)、bacA(ORF11)、bacL(ORF12)から成る。bacL_1/bacL_2は菌体外へのBac41前駆体発現とその分泌に必要な遺伝子、bacA遺伝子産物は分泌された前駆体バクテリオシンを菌体外で活性化する活性化因子である。またbacIは自身の生産するBac41に対する免疫因子遺伝子であった。
2.Bacteriocin 51の研究
バンコマイシン耐性、バクテリオシン生産E.faecium NRCH38株から単離されたプラスミドをpHY(6.0kbp)と名付けた。pHYにはORFが9つ存在した。大腸菌のベクタープラスミドpMW119を用いpHY全体をクローン化し、これをE.faecalis OG1Sに形質転換したものは、E.faecium, E.hirae, E.duransに対し抗菌活性をもつバクテリオシンを生産した。このクローンを用いたTn5挿入変異株、及び転写産物の解析から、ORF1(bacA)がバクテリオシン遺伝子、ORF2(bacB)が免疫能をコードすることが解った。bacA, bacBはオペロンを形成していた。