日本学術振興会:科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究期間 : 2007年 -2010年
代表者 : 我部山 キヨ子; 稲葉 忠司; 小畑 秀明; 柳吉 桂子; 千葉 陽子; 山口 琴美; 和泉 美枝; 羽太 千春; 中堀 裕代; 武藤 若子
助産師による超音波検査の実態・特徴・問題点を調べた。1)医師数および助産師が少ない施設では医師と助産師の役割分担が促進し,助産師による超音波検査の実施が進行していた。2)助産師と医師の超音波検査の比較では,胎児推定体重の計測技術,妊婦の認識,妊婦への心理的影響において差は認められず,助産師が超音波検査法を行うことに対してほとんどの妊婦が肯定的であった。3)助産師学生に対する超音波シミュレーターを用いた調査では,安定した時間で胎児各部位の正確な計測ができるまでには,少なくとも10回程度の演習が必要であった。4)さらに,4年間を通して助産師が超音波診断技術を修得するために使用する精巧で本物に近似した画像が得られる超音波用人体模型(妊娠20週)を開発した。
これらの結果から,助産師による超音波検査の実施を拡張するべきであり,超音波教育体制や健診異常時の相談体制の確立が重要である。