伊藤 麟稀; 森田 陽子 国際地域経済研究 : 名古屋市立大学大学院経済学研究科附属経済研究所年報 = The journal of international and regional economics : the annual bulletin of Institute of Economic Research, Graduate School of Economics, Nagoya City University (19) 5 -15 2020年
森田 陽子 国際地域経済研究 : 名古屋市立大学大学院経済学研究科附属経済研究所年報 = The journal of international and regional economics : the annual bulletin of Institute of Economic Research, Graduate School of Economics, Nagoya City University (18) 5 -22 2017年
令和元年度(2019年度)は、慶応義塾大学パネルデータ設計・解析センター「消費生活に関するパネル調査」 (1993~2015年)を用いて、Akerlof and Kranton(2000)が提唱するIdentity Economicsにおける性差意識からもたらされる行動規範(Gender Identity)が有配偶女性の就業行動・家事行動に及ぼす影響について検証した。
検証結果をまとめると、第一に、妻は夫の所得を超えないように妻は就業を抑制している。第二に、妻の潜在的賃金が夫の賃金よりも高くなる場合、妻は就労を抑制する。第三に、夫婦合算の賃金に占める妻の所得割合が高くなるほど、妻の家事時間は減少するものの、所得割合が55~60%を超えると、だんだんと家事時間が長くなる。など人間行動に影響を与えるのは, 金銭的インセンティブだけでなく、人々が持つ「規範」意識であり、就業促進政策に対する文化的アプローチの重要性が確認された。研究成果は、Singapore Economic Review Conference(2019年8月5-7日開催)において、発表された(“Empirical Analysis of Social Norms and Inequality of Household Distribution in Japan”with Dr. Yoko Morita)。
Mass ObservationのDay Surveyに関するデータの渉猟を行い、East Sussex Record Officeの所蔵資料を中心とした文書間(The Keep)にて、利用可能な829件について収集した。手書きのものが大半なため、順次、テキスト化を行っている。また、Time Chartについては、起床時間と就寝時間について分析を行い、平均して午前7時40分に起床して、23時21分に就寝していたことがわかった(N=315)。単純な比較は難しいが、19世紀初頭における起床時間(6時)と就寝時間(22:50)と比べると、全体的に生活時間帯が遅くなっていることがわかる。