日本学術振興会:科学研究費助成事業
研究期間 : 1999年 -2001年
代表者 : 山田 敦; 堀 和生; 石田 浩; 中村 哲; 山田 敦
本研究は「研究目的・研究実施計画」によれば、(1)資料の発掘収集、(2)資料を比較可能な形へ加工、(3)3国研究者による総合討論の積み重ね、であった。残念ながら交付決定額が申請額の半額であったため、(1)の悉皆調査や米国での資料調査ができなかったり、(2)のデータベース作成ができなかったりしたが、(3)の3国研究者による総合討論の積み重ねにおいては成果を得ることができた。すなわち、各年度とも合宿研究会を開催し、日本人研究者のみならず、韓国人研究者と台湾人研究者を招聘して、日本・韓国・台湾の研究者合同による報告と討論を行えた。合宿地は、平成11年度は台湾の国立台湾師範大学、平成12年度は韓国のソウル大学、平成13年度は日本の関西大学恭仁山荘(内藤湖南の旧別荘)であった。これら合宿により、単に議論を深めるのみならず、従来は日本人研究者間においてさえ研究者交流が少なかった韓国と台湾の間において、国際研究者交流を進めることができたと自負している。また研究状況の違い(具体的には台湾側の遅れ)も把握できた。もちろん(1)(2)も成果皆無ではない(1)については、台湾と韓国において日本植民地時代の総督府公文書の保存施設を訪問し、資料保存状況・公開状況・今後の整備予定について説明を受けるとともに、若干の資料調査を行えた。また(2)は研究に遅れが目立つ台湾側の資料整理を研究代表者が進めている。
研究成果は、裏面の研究発表に示すものの他、堀和生(旧・研究代表者、現・研究協力者)主導で、この研究成果をもとに日本と台湾で出版を行う計画が進行中である。各参加者の新たな知見はそこで報告される。